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推し作家さんのサイン会の開き方

令和元年は年末に発売された浅野りん先生の「であいもん」8巻の巻末漫画に当店のことを載せていただくという記念すべき出来事で幕を閉じました。

令和二年も浅野先生のサイン会を醍醐で開いて頂くというスペシャルなスタートに。

出版業界とは無縁のド素人がどんな経緯で人気作家さんのサイン会開催に漕ぎ着けたのかの備忘録です。

 

前回ブログで書いたように、SNSにより漫画家さんやイラストレーターさんとのご縁ができて、山科店で和菓子作り体験をするに至り、その頃から当店の醍醐店が入居するショッピングセンター・アルプラザ醍醐でサイン会を開けないかと、漠然と思っていました。

 

アルプラザ醍醐では専門店会の共同販促があって、私がその販促委員を10年近く担当しているため、集客につながるイベントなら予算や会場についてある程度の用意は持っておりました。

しかも、別館ですが「であいもん」単行本発売の際には必ず特典が付く大垣書店が同じ施設内にあるではないですか。

 

でも、出版記念サイン会ってたまに書店で開かれるのは知ってましたが、ショッピングセンターのイベントとして開催できるのか全く知識がない。

 

そこで、二つの出会いが…。一つは「であいもん」について別件でKADOKAWAとメールをやり取りすることがあり(この件でも浅野先生にめっちゃお世話になっております)、KADOKAWAの担当課長の方が京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)に来るついでに山科店に立ち寄って下さったんです。

 

もう一つはアルプラザ(株式会社平和堂)研修会後の懇親会で、平和堂系列の書店運営会社の方と席が隣に。

 

このお二人からサイン会についての諸々の基礎知識をゲット。

開催を希望する書店が出版社に申し込み、出版社は一部の書店に偏らないよう割り振りを行う、というようなことから費用のことまで。

出版社や作家さんの作品やファンの方を思う気持ちで成り立っていることがわかりました。

醍醐でやるなら大垣書店さんに頼むのがよいとの助言も頂きました。

 

そこで、サイン会の開き方その1

1.サイン会を開催できる本屋さんの知り合いを作る(笑)

いつも白衣姿でショッピングセンターをうろついていますが、大垣書店に知り合いがいるわけではない。

白衣のまま突然店長さんにサイン会とまくし立ててもキョトンとされるに違いない。ここは上を通そう。

そこでアルプラザ醍醐の支配人に頼み、大垣書店が入居する京都醍醐センターを通じてアポを取ってもらいました。

 

発売まで1カ月という時点で、初めての打ち合わせ。

アルプラザ醍醐から支配人・総務次長、醍醐センターから社長・業務次長、大垣書店店長、そして私(白衣姿)。

私以外はちゃんとした立派な会社の方じゃないか…。

という気持ちもありましたが、支配人が予め強力に話を通して下さってたので、なんともスムーズ!

 

そんな人気作家さんが来てくださる(かも知れない)なら、是非やろうやないか!と全会一致で進めることに。

そして、「和菓子も売りーな」と勧めて頂きました。でも、変に水をさすことになってもなぁ…と決めかねていたんですよね。

      

 

あ、一番大事なことですが出版社に申し入れても肝心の作家さんのOKが出るかが問題ですよね。

今回は有難いことに浅野先生との繋がりがあったので、事前に尋ねることができました。

 

それでも初めは色々心配しましたよ。

そもそもサイン会って、作家さんにとってはやりたいものなのだろうか…、まして京都中心部から少し離れたショッピングセンターに来て頂けるのだろうか…、営業活動だからやむなくしているのでは…、かえってご迷惑をおかけするだけじゃ…

 

そこで、京まふの時来て頂いたKADOKAWAの担当の方にド直球で質問。

すごく親切に回答いただいて、すべてが心配無用であることがわかりました。

 

 

必須ではないかも知れませんが、より開催が現実的になるサイン会の開き方その2

2.出来れば作家さんと繋がりを持っておく

そんなことできるかぁ!と昨年初めまでの私なら思ってました。でもSNS全盛の時代、絶対不可能とは言えません。

 

特に浅野先生は、誰かがツイッターに書いてましたが「一般人のリプにもお返事を下さる女神」のような存在。

確かにお忙しいのに返信されてます。

推しの作家さんのSNSがあれば勇気をだしてコメントしてはいかがでしょうか。

と言ってはみましたが、私もなかなか遠慮してしまいます(笑)

 

とにかく、浅野先生のご厚意がサイン会と原画展示の開催に大きく影響したと思われます。

 

そしてなんと!開催に向けて準備を進めている間に、当店での和菓子作り体験のことを8巻巻末に描いて下さることがわかったのです!

 

そんな特別な本の発売に当店がある施設でサイン会を開催できるなんて…これはもうサイン会会場で和菓子を販売したほうがいいんちゃう?という気持ちがムクムクと湧き上がってきました。

 

 

その3、助けてくれる人は必ずいる

3.全く未知の事でもとにかくやってみる

何をどうすればいいのか何もわからない状態でしたが、ほとんど人の助けだけで実現まで漕ぎ着けました。元々個人の和菓子店で出来ることではないんですから、助けがないと無理なのは当然なのですが。

 

ショッピングセンターにこの話を持って行った時は(もうすぐ年末だし、年始も忙しいし、9巻が発売される夏開催でもいいかな)と思っていたんですが、皆さん優良企業の社員の方だし、やるとなったらあっという間に実現しました。大人ってすごい(笑)

「8巻でやってみて、できたら9巻もやったらいいやん」ってノリです。

 

数回の打合せの後、年末でそれぞれ時間が取れなくなり、電話でのやりとりになりましたが、基本私はお願いしただけで大変なことはすべて他の方がやって下さいました。

もちろん「浅野りん先生のサイン会」だから皆さんここまで動いて下さったのですが、やってみると道が開けていくもんですね。今となっては案ずるより産むが易し、です。

 

当日はサイン会に加え、複製原画の展示、和菓子販売を行い、思っていた以上の盛況ぶりに関係者の間では今後も作家さんのサイン会を開催する方向で話されてました。

さらに、きゃらきゃらマキアートさん、佐藤両々先生が販売コーナーに立たれるというサプライズもあったのですが、この話はまたの機会に。

 

ちょうど浅野先生がサインを描かれるブースの出口に販売コーナーがあって、出て来られるファンの方の幸せそうな様子に本当にやって良かったと思いました。

沢山の参加者と話せて、こちらもほんとに楽しかったです。

 

お忙しい中引き受けて下さった浅野先生、開催して下さった大垣書店、京都醍醐センター、アルプラザ醍醐の皆様、KADOKAWA担当者様、お手伝い下さったきゃらきゃらマキアートさん、佐藤両々先生、そしてたくさんの参加者の皆様、本当にありがとうございました。

また、チャンスがあればお願いしたいと思ってます。次回もよろしくお願いします!